山の歩き方(安全に快適に山に登る フラットフィッティング)

登山教室や登山ツアーで最初に聞かれる質問は「山の歩き方」です。

登山は平地や街中のウォーキングと異なり滑りやすい。街中と同じ歩き方をしていると転びそうになることもよくあります。

登山の基本中の基本技術である山の歩き方。普段の歩き方と山での歩き方の違いは何なのか?その違いを易しく解説いたします。

滑りやすくやすく歩きづらい山道はフラットフィッティングが有効

フラットフィッティング

山を安全に快適に歩く方法に フラットフィッティングがあります。フラットフィッティングとは、靴底のつま先部分とかかと部分を同時に地面に静かに着地する歩き方です。

私たちが日常平地や街を歩く時には、
①先ずかかと部分から着地し
②靴底の中央を接地し
③最後につま先部分を接地してから地面から離れる
このような歩き方をしています。
平坦な地面に対し、靴底を弓状にし、かかとからつま先までを滑らかに接地して地面を蹴り、次の一歩に繋げてます。

通常の歩き方。先に靴底(ソール)のかかと部分から接地する。特に下り坂ではこの瞬間に滑ることが多い。
通常の歩き方。次にソールのつま先部分を地面から離す時。登り坂ではこの瞬間に滑りやすい。
フラットフィッティングでの歩き方。 「つま先部分とかかと部分を『同時に』地面に接地」する歩き方。
靴底(ソール)の全面を使用して接地するので、靴底の摩擦を最大化しスリップが減少します。

フラットフィッティングのメリット

登山に使う靴の靴底には、スニーカーと異なり深い溝が刻まれています。この溝は山道の大半を占める土や砂利、泥、岩などの路面に対し高いグリップ(摩擦)が得られる構造になっています。

この靴底のグリップを最大限に生かす歩き方こそが、フラットフィッティングです。
たとえ登り坂、下り坂であっても、かかとからつま先を同時に接地することで、靴底が地面にしっかり食い込み、スリップを防ぐことができるのです。

スリップを減らすことで、ケガの防止だけでなく、足や身体の動きの無駄を減らすことができます。
スリップをしない経験を身体と脳が覚えることで、歩行中の不要な緊張や筋肉の力み(りきみ)を減らし、快適に歩き続けることができます。

山歩きに不慣れな人は、滑りやすい濡れた山道などを歩く時、必要以上にスピードを落としたり、ぎこちない動きをされます。一方で山歩きに慣れた方は、フラットフィッティングをうまく活用し、スリップを起こさない範囲で「大胆」に山道を登り降りされています。

雪山でも有効なフラットフィッティング

雪山では アイゼンを使用することがあります。アイゼンは登山靴に縛り付けることで靴底から鋭い鉄の爪が現れます。この鉄の爪を全て雪や氷に差し込むことで高いグリップを得ることができます。

山歩きの基本であるフラットフィッティング。うまくフラットフィッティングで歩けるようになるには、「アイゼンをはめて歩いている」と思いながら、靴底の鉄の爪を山道にグサグサと差し込みながら歩く。そんなイメージで歩いてみてください。

この技術は将来雪山を歩く際にも大いに発揮されることになります。

フラットフィッティングで歩く時には、静かに靴底を接地させること

フラットフィッティングで歩く時は、靴底を地面に静かに「乗せて」歩いてください。
静かに歩くのは靴底のフリクショを最大限に活かすためです。乱暴にバタバタと音を立てて歩けば、せっかくのフリクションも台無しになります。静摩擦係数>動摩擦係数の関係です。

静かに歩くことで、スリップを減らすだけでなく、接地する時の衝撃が和らぎ、膝や腰への衝撃を緩和することができます。登山時は良いものの下山時には 膝痛に悩まされる方も多いと思いますが、フラットフィッティングで静かに接地することを心がければ、膝や腰を温存することができます。

フラットフィッティングのもう一つのメリット=靴擦れが減る

フラットフィッティングで歩くと、靴の中でのかかとやつま先の動き(ズレ)を減らすことができます。特にかかと部分に靴擦れが起きる方はフラットフィッティングでの歩き方を心がけてみてください。

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