山岳遭難~データでみる原因とその対策

毎年多くの山岳遭難が発生していますが、その原因、皆さんご存知でしょうか?
山での遭難というと、滑落などのイメージもありますが、遭難原因の第1位は「道迷い」です。

その数、遭難原因第2位の滑落と比較しても倍以上の数。年間千人を超える方が道迷いによる遭難を起こしています。

警察庁が発表するデータを見ながら遭難の原因や傾向を考えてみたいと思います。

山岳遭難の概況

毎年6月、警察庁は「山岳遭難の概況」という資料を発表します。

平成30年における山岳遭難の概況ー警視庁

発生件数、発生した都道府県、原因(容態)、年齢等、様々な切り口で山岳遭難のデータが表やグラフでまとめられています。当年だけでなく、過去の履歴もあるので、遭難の傾向なども知ることができます。

出典 : 平成30年における山岳遭難の概況ー警視庁 図:発生件数の推移

この表を見ると遭難の発生件数が急上昇しているように見えます。皆さんはこの図を見てどのように感じるでしょうか?

遭難発生件数の推移

遭難の発生件数は、ニュースでも報道されるほどの重大な遭難であっても、報道されないような軽微な遭難も1件としてカウントされます。単独行の遭難も大人数の大量遭難も1件として数えられます。

グラフを見ると平成に入ったあたりから急激に遭難件数が伸びているように見えます。昭和の時代は年間500件あたりを推移していたのがうなぎ登りに増え、平成30年には2661件にも。

無謀、危険な登山者が増えたから?空前の登山ブームで登山者が増えたから?

このグラフからだけでは判断がつきません。

出典:レジャー白書2017

別の資料によれば、登山人口は2009年をピークに減り続け、特に東日本大震災の年に急減してからは決して増えているとは言えない状況です。
但し、このグラフもあくまで「参加人口」ですので、年に1回の登山者も毎週末山に行く登山者も1人としてカウントします。

出典:Wikipedia

遭難件数のグラフの時期と伸びに近いグラフがあります。携帯電話の普及率です。早急な結論を出すことはここでは控えますが、登山者が携帯電話を持ち山に入る。山岳地帯での電波の網羅率が高まったことも、遭難「件数」の増加につながったものと考えています。

遭難者数の推移

先ほどは遭難件数でしたが、今回は遭難者数、遭難された方の人数です。

出典 : 平成30年における山岳遭難の概況ー警視庁 図:遭難者数の推移

資料には遭難者数、負傷者、死者・行方不明者がグラフ化されていますが、無事救出者はグラフには含まれていません。
資料には「遭難者数には、昭和51年から無事救出者を含む」と書かれていることから、遭難者数から負傷者や死者・行方不明者数を引いた数が無事救出者ということになります。

平成30年度でいえば遭難者数 3129人-1201-342=1586人が無事救出者となります。

無事救出者数の比率

ニュースなどで報道される山の遭難。悲惨な結果に終わるケースもありますが、半数は無事に救出されている、というのも事実です。

山岳遭難の原因

出典:平成30年における山岳遭難の概況 表4 容態別山岳遭難者

表では平成26年以降毎年原因の第1位が道迷いです。2位の滑落の倍以上。この傾向はしばらく続くものと思われます。

資料では道迷いによって、結果どうなったか?までは記載がありません。とても気になるところです。

道迷いを防ぐ方法

◆計画段階で山やルートを十分に調べる
◆実力に応じて迷いにくい山やルートを選ぶ
◆道迷いを防ぐ道具(地図・コンパス・地図アプリ)を持ち、事前に十分に使いこなしておく
◆登山中に目的地と現在地をこまめに把握する
◆迷ったと思ったときは現在地を確認する

今後、登山ガイド.netでは道迷いを防ぐ準備・方法や道迷いに陥った時の対応をまとめていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
続編では道迷いを防ぐ方法=安全な登山の方法を詳しく説明したいと思います。
近年急速に普及したGPSや電子地図の使い方なども紹介予定です。

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